秋風が心地よい10月26日、名古屋市のガーデンパレスホテルにて「第20回名古屋中国春節祭 応援交流会」が華やかに開催された。
今回のテーマは「以和聚力・以合伝新(和で繋ぐ力、協力で広げる未来)」。日中両国の政界、経済界、文化、教育など多方面から約180名の来賓が一堂に会し、20年にわたる友情と交流の軌跡を祝った。
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■ 二十年の絆――文化が結ぶ民の心
会場ではまず、春節祭20年の歩みを振り返る映像が上映され、参加者はその成長の軌跡を共にたどった。
続いて、愛知県立芸術大学の坂本啓熙氏によるトロンボーン独奏「私と祖国」が披露され、郷愁と誇りを込めた音色がホールに響き渡った。
実行委員会委員長の陳秋揚氏は挨拶の中で、「名古屋春節祭は単なる文化イベントではなく、日中両国の心をつなぐ架け橋となった」と語り、長年にわたる支援への感謝を述べた。
「世代を超えて温もりを継承し、春節祭を未来へとつなげていきたい」と力強く語った。
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■ 「和」で響き合う――中日両国が語る平和と伝承
中国駐名古屋総領事館の伊亜奇副総領事は挨拶で、「日本の伝統行事には文化を大切にする心と平和を願う思いが込められており、それは春節の“団円・祈福・迎新”の理念と共鳴する」と述べた。
さらに、2024年に春節がユネスコ無形文化遺産に登録されたことに触れ、「春節は今や中国のみならず、世界が共有する文化遺産である」と強調。「春節祭を“見る中国”から“理解する中国”への窓口に」と期待を寄せ、「来年の干支・馬にちなみ、春節祭の活動が『一馬当先・馬到成功』となることを願う」と締めくくった。
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■ 講演で語る「縁」と「美」――交流が生む信頼
双日オートモーティブ東海株式会社の嶋吉良典社長は「私と中国の縁」と題し、留学時代から今日までの中国との関わりを紹介。「国を越えた縁が、未来の協力への信念を生んだ」と語った。
続いて、アジア通信社の徐静波社長が「名古屋の魅力」と題して登壇。「名古屋は日本の“山東省”のような都市。勤勉で実直、そして革新性に富む」と評し、「春節祭がこの地に根を下ろしたのは、名古屋の包容力と実行力の表れだ」と語った。
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■ 芸術で結ぶ「和合」――文化が交わる舞台
会場では、華豊之友芸術団の舞踊「祈願」や晶舞教室の「雪域卓瑪」が披露され、観客を魅了。二胡奏者の崔佳寧氏と書道家の胡永華氏による共演「万疆」では、墨と旋律が交錯し、東西文化の調和を象徴した。
さらに、川劇の変面「哪吒と敖丙」、坂本啓熙氏と河村真和氏のトランペット二重奏、歌手・李秀艶氏の「川流不息」などが続き、華やかなステージが繰り広げられた。
老舗和装店「藤娘きぬたや」(1947年創業)の協力による振袖ファッションショーも特別に披露され、日本の伝統美と中国文化の融合が観客の喝采を浴びた。
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■ 祝辞に込められた想い――共に歩む次の二十年へ
日中友好議員連盟幹事長の近藤昭一衆議院議員は、20周年を迎えた春節祭に祝辞を寄せ、「民間交流が友好の礎である」と称賛。
愛知商工連盟理事長の鹿島均氏は、中国人研修生受け入れの経験を紹介し、「春節祭が経済交流を人と人の絆に変えた」と述べた。
愛知県の大村秀章知事からは祝電が寄せられ、豊田市文化振興財団理事長の豊田彬子氏は乾杯の挨拶で「日中交流は流れる川のように、曲がりくねりながらも平和と共栄の海へと注ぐ」と語った。
また、貴州茅台酒が大会唯一の指定酒として特別協賛。清泉堂株式会社の沈宇辰社長が茅台の歴史と味わい方を紹介し、宴席に一層の華を添えた。

■ 「春風不老・和合常新」――未来へ続く友情のハーモニー
フィナーレでは全員で「顔を上げて歩こう」を合唱。二十年の友情を胸に、新たな希望を歌声に託した。
この日、名古屋春節祭の新しいマスコットキャラクター「春ちゃん」も初登場し、会場を大いに盛り上げた。
司会は任玲氏、武虹氏、劉立中氏の三名が務め、息の合った進行で会を円滑に導いた。
草創期から二十年、名古屋中国春節祭は地域文化の枠を越え、今や中日民間交流の象徴的存在となった。
「以和聚力・以合伝新」――春風は絶えず吹き、友情の調べはこれからも名古屋の街に響き続ける。
(文/張申童・董紅俊 写真/柳龍旭)
