歳月が変わっても 春を祝い故郷を想う気持ちが変わらない―第17回名古屋春節祭が盛況のうちに幕を閉じましたー

銅鑼や太鼓が鳴り響く中、勇ましい獅子が春の到来を祝福しました。 年に一度の春節を祝う「第17回名古屋春節祭」は、賑やかに、楽しく、そして友好的な雰囲気の中で幕を閉じました。 4日間にわたる春節祭は天気に恵まれ、まさに天の神様も一緒に新年を喜んでいるようでした。 会場の歓喜と熱気からは、名古屋を中心とする中部地区の華僑華人たちの春を迎える喜びや、故郷を懐かしみ仲間たちとの再会を待ち望んでいた様子が伝わってきます。ご来場の皆さんには中日両国の友好関係や文化交流を肌で感じていただくいい機会となったことでしょう。

名古屋春節祭は、春節を祝うことはもちろん、芸能、文化交流、食などの中国文化が大いに精彩を放つイベントでもあり、中部地区の華僑華人と在名古屋中国総領事館が共同で築き上げた春節文化の祭典です。2007年の初開催以来、現在に至るまで全17回開催され、地域の文化・娯楽イベントから、今や国際的に影響力のある春節文化の祝賀イベントへと成長し、日本で最大規模の、最も影響力のある春節の祝祭の一つになっています。

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1月6日のオープニングセレモニーでは、大森石油吹奏楽団がおなじみの「祖国の歌」を演奏し、会場には獅子や龍が舞い、カラーガードやランタンが飛び交いました。 楊嫻在名古屋中国総領事、姜恩橋在日中国大使館公使参事官、劉澤清第17回名古屋春節祭実行委員長、大村秀章愛知県知事、松尾敏憲名古屋副市長、田中耕太郎中部経済産業局長、島尾正東海日中貿易センター会長兼名古屋商工会議所会頭、水野明久中部経済連合会会長、大島宇一郎中国新聞社長、原田泰浩愛知県日中友好協会副会長がテープカットを行い、第17回名古屋春節祭の幕開けとなりました。

その後、東急ホテルでは春節祭の祝賀会が開かれました。 劉澤清委員長は挨拶の中で、春節祭を長年支援する中国大使館、名古屋総領事館、愛知県、名古屋市、岐阜県、三重県、北陸などの多くの行政部門、経済界、金融界、企業、そして在日華僑に心からの感謝を述べました。 また、実行委員会とメンバー全員が一致団結して困難を乗り越え春節祭をより賑やかで、より充実した、より良い祭りにしていきたいと述べました。

楊嫻総領事は春節の祝辞の中で、「日中両国は地理的に近く、文化的なつながりや人的なつながりもあり、両国の長い歴史の中で、互いに学び、感謝し、交流してきました。そして、その中でいくつもの心温まる友好エピソードが生まれ、日中関係の発展を絶えず推し進めてきました。 名古屋春節祭は17年にわたり、この地域の有名な文化ブランドとして、中部地方の人々に中国文化に親しむ機会を提供し、日中両国の友好の架け橋として確固たる地位を築いています。 今回は3年ぶりに、オンライン形式から春節祭会場での開催を実現し、皆様に華やかな中国文化の祝宴をお届けできると確信しています。」と述べました。

姜恩橋公使は挨拶の中で、名古屋中国春節祭が日中両国民の交流を深め、経済・貿易・文化交流を促進する上で積極的に貢献していることを高く評価しました。 春節は中華民族の最も盛大かつ伝統的な祭りであり、中国の伝統文化では、春節は大地に春が戻り、万物が新しく生まれ変わることを意味すると述べました。 両国が友好の伝統を継承し、歴史的・文化的資源を探求し、さまざまな形の人文交流と民間交流を積極的に展開することで人と人とのふれあいをより深め、中日関係がより活発で心温まるものになることを願っています。

大村秀章愛知県知事、近藤昭一、伊藤渉、大西健介衆議院議員、斎藤嘉隆、浜口誠、里見隆治参議院議員など日本の政界を代表する方々も出席し、「第17回春節祭は、地元の人々が中国文化を肌で感じ、日中友好交流に参加する重要な機会であり、両国の相互理解を促進する力を持っています。今年は中国の杭州で、3年後には愛知・名古屋で第20回アジア競技大会が開催されます。 今後も両国が文化やスポーツを媒介として、新しい時代の日中人民友好における新たな章を刻んでいくことを願っています。」と述べ、春節祭の盛大な開幕を祝いました。

祝賀会には、神田憲次衆議院議員、安江伸夫参議院議員、関美幸三重県知事代理、江尻長門岐阜県知事代理、森正昭富山県知事代理、日比一昭津島市市長、大石英一郎中部運輸局局長、金星秀在名古屋韓国総領事、ルイス在名古屋ペルー総領事館領事、マシュー駐日米国領事、瀬野清水日中協会理事長、阿部正人時事通信社名古屋支社長、欧陽安中国観光局東京事務所首席代表、何徳倫全日本華僑華人聯合総会執行会長など、日中の政界、経済界、教育界、友好団体、華僑華人、留学生代表など200人以上が出席しました。

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4日間にわたる春節祭会場は常ににぎわいを見せました。ステージのパフォーマンスを鑑賞し、広場で本格的な中国の味を堪能し、様々な文化活動も体験を楽しんでいると、「ヤンコ踊り」が歌い踊りながら観客のそばを練り歩いていきます。 広場の三面に63の屋台が並び、会場全体が新年の雰囲気に包まれます。 岐阜県からお子さんを連れてご来場されたお母さんは、「コロナから3年、久しぶりにみんなと集まることができたので、ここでパフォーマンスを見て、料理を食べて、心から春節の雰囲気を感じることができました。」と話してくださいました。

総領事館では、アジア大会と春節を記念して、クイズ大会や切り絵、扇子絵、宮灯籠作りなどの中国伝統文化体験プログラムを用意し、参加者に中国らしいギフトを贈呈しました。多くの親子連れにご参加いただき、中国の工芸の魅力を感じていただけたと思います。

大村秀章愛知県知事は、2011年に愛知県知事に就任されてから10年以上、名古屋の春節祭に欠かさず参加され、時には3日間のイベントのために2度、3度と足を運んでいる大ファンだそうです。 テープカット以外では、会場を歩き回るのが好きなようで、本人曰く「雰囲気を楽しんでいる」とのこと。 知事と同じようにこの和やかな雰囲気を楽しむ人が日本にもたくさんいるせいか、この春節祭を支援してくださる日本企業も年々増加し、日本とは違う旧正月の雰囲気を体験しにご来場くださる日本人も増えているようです。

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「銅鑼を鳴らせ! 太鼓をたたけ!」前方で劉澤清委員長が新年の挨拶をし、後方では王立保、董剛、梁新勇ら元委員長と若手が元気に叩く太鼓や銅鑼の軽快なリズムと、秧歌隊のカラフルなシルクがひらひらと舞い会場全体を包み、多くの人が足を止めて会場の中国らしいお正月ムードに魅了されました。 コロナによって人の移動は減っても、家族の絆や友情を止めることはできません。 期待と祝福に包まれた人々が会場に集まり、多くの人が笑い声の中で故郷への懐かしさを感じながら、未来への希望を託しました。

ステージは、琵琶演奏家の涂善祥さんと大森石油吹奏楽団による『白帝幻想』の演奏で幕を開け、会場も熱気に包まれました。 大森石油吹奏楽団は、第1回目の春節祭から毎年熱心にオープニングセレモニーに参加しています。 春節祭の演出部長である董紅俊が演じる李白がステージに上がり、李白の有名な詩『早に白帝城を発す』を朗読した後、可愛い子供たちがステージに駆け上がって一緒に朗読と歌を披露しました。 この子たちは皆日本生まれの華人華僑で、このステージを通して、音楽とともに中国の古詩を学び、中国語学習への関心を高めました。 また、気迫あふれる『太鼓踊り』は幸せな人生への願望と敬愛にあふれ、『飛天』は敦煌の壁画から飛び出し舞台上へ舞い降り、観客を驚かせました。その他にもチャイナドレスショー、二胡演奏、歌や踊りなどの演目で観客を魅了しました。また、日本のテノール歌手世歌勳さんと中国ソプラノ歌手林純晶さんの共演で日中友好の歌を披露しました。

今年は日本砂絵作家の第一人者である蔡暁華氏をお招きし、董紅俊氏とともに『鑑真東渡』と題した砂絵作品を企画・制作し、鑑真の東方横断を通じて日中文化交流が深まってきた歴史を表現しました。 ライブペインティング、BGM、ナレーション、プロジェクションの組み合わせで、完璧な作品に仕上がりました。

日本の観客に最も人気があったのは、馬琳さんの変面で、公演時間の問い合わせが圧倒的に多く、実行委員会は何度も公演時間をスクリーンに表示せざるを得ないほどでした。 馬琳さんは、春節祭には何度も出演していますが、ステージに立つたびに観客の熱気に触れ、みんなに喜んでもらえることがとても嬉しいと語っています。

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4日間にわたる公演では、変面、舞踊、歌、雑技、中国武術、太鼓、三味線、ひょうたん笛、漫才、寸劇、詩吟など、中国と日本の素晴らしい伝統芸能に加え、気迫あふれるハワイアンダンスやベリーダンスも披露されました。 大森石油吹奏楽団、名古屋茉莉花合唱団、チャンビン二胡演奏団、岡崎日本児童少年団、華瀛チャイナドレス芸術団、名古屋中国語文化センター二胡演奏団、中部歌舞愛好者協会、晶舞舞踏教室、中部日本華婦連合唱団、日本中医気功振興会、中部秧歌広場舞協会、小櫻花芸術団、舞蝶舞踊教室、愛華学園、中部日本華僑華人健行登山協会、張成忠愛大中国武術クラブ・樊孟武術研究会、夢之音芸術学校、文運画堂、水蓮舞踊芸術学校、西川流日本舞踊、大黄河雑技団、華豊之友芸術団、漢風唐韻中国伝統文化促進会、劉揚&胡蝶之夢、東海・北陸中国帰国者支援交流センター、ポリネシアンダンススタジオ、Dossaベリーダンス、Bongoストリートダンス等々。 著名な琵琶奏者の涂善祥、日本のテノール歌手世歌勳、歌手の林純晶、于媛媛、呉蘭詩、劉晶紅、鄭玉松、ななせじゅん子、楊済齐、晶美、馬利恩、黄梅戯を歌う森春平が参加しています。 また、華人二世ミュージシャンである礼美がわざわざ東京から駆けつけてくれたこともあり、春節祭をより一層盛り上げてくれました。 また、今年は会場に電子スクリーンが追加され、ステージに華やかさが加わり、春節祭を最新かつ新たな段階に引き上げることができました。

航空会社や旅行会社、企業案内、グッズの展示も観客の関心を集め、「福」の字や灯篭、中国結び、香り袋など、春節の飾り付けも高い人気を誇りました。

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ステージや展示ブースに加え、食べ物も忘れてはなりません。 「民は食をもって天となす」という中国の教えがあるように、食は人の本質であり、食は文化の窓であり担い手であるとされています。中国の奥深い食文化は、中国文明の重要な一部であり、日本を含む世界中の人々から愛されています。 刀削麺、水餃子、揚げ餃子、ワンタン、シュウマイ、小龍包、肉まん、花巻、ちまき、ごま団子、揚げ春巻き、焼きそば、炒飯、揚げ麻花、新疆ラム串、串焼き、麻辣湯、豚足、蒸しトウモロコシ、揚げパンと豆腐脳、甜餅などの中国名物が25ブース出展しました。 中でも昔懐かしいサンザシ飴は、特に子どもたちに好評でした。 「♪恭喜你发财,恭喜你精彩……」懐かしい春節の歌と食べ物を売る人の声が会場に響き、来場した多くの人が故郷での幼少期を思い出したことでしょう。

名古屋の春節祭が成功した背景には、心温まるエピソードがたくさんあります。 多くのボランティアの無私の献身によって、今日の春節祭があります。 名古屋大学、名古屋工業大学、中部大学、三重大学の中国人留学生は、警備やステージのサポート業務に積極的に参加しました。 留学生ボランティアは、このような大規模な公益イベントに参加するのは初めてでしたが、参加したからこそ貴重な経験ができた、今後も春節祭や同様のイベントに積極的に参加して中国文化や日中友好を促進に貢献したいと話してくれました。 若い人たちの積極的な参加は、祭りに新たな活力を与え、日中両国の友好を深めることになるでしょう。

また、実行委員会は、愛知県が実施した感染対策を厳格に遵守しています。 特別感染対策チームを立ち上げ、実行委員会のメンバーである項一雅子医師をチームリーダーに任命しました。チームメンバーのほとんどは項一医師の学生で、期間中は毎日3~8人の日本人が参加し、イベントの安全と安心を確保する中で協力し合い日中間の民間交流の促進に繋がりました。これもまた日中友好交流の一つの形と言えるかもしれませんね。

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名古屋に根付いた「春節祭」は、華僑に望郷の念を和らげや笑いと幸運をもたらす素晴らしいお祭りです。 中国の同胞が外国にいても、中国のお正月ムードを肌で感じ、にぎやかなお正月を過ごすことができるのです。 誰にとっても故郷への思いというものは永遠に変わることがなく、私たちの心の中にずっとあるものなのでしょう。 第17回名古屋中国春節祭は、実行委員会による『私とわが祖国』の合唱で盛況のうちに幕を閉じました。皆様、また来年の春節祭でお会いしましょう、再见!

(日本語訳:彦坂仁菜)

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